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by boaboa16

「雇用調整助成金」の真実

「雇用調整助成金」
(※元来は、未来について予見した雇用計画に対する助成金です。)

テレビでは政治家、ジャーナリスト、様々なコメンテーターが、
「様々な助成金があるから中小企業でも十分に雇用を守れますね。」とあたかも簡単に助成金を受給出来るかのような報道ばかり。

しかし!
報道と現実は全く違います。

理由を列挙しよう。
①手続きが(異常に)煩雑。
多くの場合は社労士を通して助成金申請を致します。
ちなみに顧問社労士がいない場合は、通常は成功報酬10%で依頼。
今現在は15%が都内社労士の標準の成功報酬。
それでも小額申請の場合は、様々なコロナ助成金のおかげ?で社労士さんはどこも大忙しで依頼を受けてくれません。

つまり書類作成が苦手ない方(おじいちゃんやおばあちゃん)は、現時点では申請すら出来ないのです。

②支給時期が不確定な「未来への投資」であること。
この助成金は即時受給出来る訳ではありません。
通常で審査完了後、早くて1〜2ヵ月に支給。
都内では、つい先日のハローワークの回答では「支給まで概ね2〜3ヵ月先です。運転資金としてお考えでしたら、難しいとお考え下さい。」との回答。

あれ?政府はこの助成金でコロナ不況に対応しろ!と言っているのに、実際は支給開始日はコロナ収束後と云うのが現実です。

更に言えば、支給決定時点で倒産してしまっていれば、この助成金は無意味になります。
と言うことは、少なくとも2ヵ月後までの企業生存率が100%の確証がない限り、企業にとっては助成金を申請することは徒労以外のナニモノでもないと云うことです。

③ 原資は企業が肩代わり?しなければならないと言う点。
行政の言い分は大方こうだ。
「国が後で金を出してやるから、オマエら まずは建て替えおけ、そして従業員をクビにするな!」こんな感じです。

まずは企業が給与として事前支給してあることが、この助成金を受給出来る大前提である点。
まずは企業がお金を先出ししなくてはならない。
つまり、余剰キャッシュがない企業にとっては申請不可能な助成金なのです。

④身銭を削る「未来への投資」である点。
通常は中小企業なら企業負担は3分2。
コロナ対策の現在は10分9が支給される。
この数字だけを見て「国が90%も給与負担してくれるなら、企業はラッキーだな」と大きな誤解を生む。

決して休業手当(雇用調整助成金)は給与ではない!これがとても重要なキーワード。
※給与とは勤務に対する報酬。
この「雇用調整助成金」とは、休業した従業員に対する給付なのだ。
実働に伴う給与補助金ではない。 
つまり年次有給休暇以外に「有給休暇」を加算付与するのと同義だ。
企業側は、雇用を確保する為に「余計な」資金支出が伴うと云う意味だ。

まとめると。
例えば。
通常月額(総額)100万円の給与(人件費)が掛かる飲食店があったとする。
コロナ対策の休業要請によりお店が1ヵ月間休業するので、「雇用調整助成金」を利用した場合。
お店は休業なので売上ゼロ円、無収入。
法律に関係なく全員を休ませていれば、人件費はゼロ円。
しかし「雇用調整助成金」を利用する場合は、従業員は全休にも関わらず、100万円(最低60万円)を従業員に支給しなくてはならない。
売上ゼロ円。実働従業員がいないにも関わらず100万円の人件費が発生する。
ただし会社が存続さえすれば、2〜3ヵ月後に90万円、行政から一部が給付される可能性がある。と云うことだ。
あくまで可能性だ。
書類に少しでも不備があれば全て却下だ!
つまり0円。  
「申請の書類不備はオマエが悪いだけ」と言う方もいるだろうが、しかし煩雑で膨大な書類は社労士が成功報酬10%以上要求する量だと考えてもられば理解してもらえるのではなかろうか?

たとえ上手く受給出来たとしても、社労士を通していれば成功報酬135000円が差し引かれる。
最終的には、企業の持ち出しキャッシュは235000円となる。
言い換えれば1ヵ月235000円を出して3〜5名の従業員を確保すると云う意味だ。

ちなみに
なお今年2月の支給実績は、申請が膨大な件数に対して、たったの二桁件数だ。
(※正確なデータは後日)

更に云えば、この例え話では人件費月額100万円としたが、10店舗ぐらい飲食企業の場合は人件費月額2000万円以上などざらに存在する。

コロナ対策で1ヵ月休業に際して、
全スタッフの雇用確保の為に、1ヵ月200万円以上を投資をすることなど簡単なことではない。
それも自らの休業ならいざ知らず、国の要請に応じての休業だ。なぜ身銭に削ってまでして協力せねばならないのだろう。
それも、これは人件費だけでこの金額だ。この他に都市部なら家賃相場は坪3万円以上だ。1店舗の賃料が100万円以上。10店舗なら家賃だけで安く見積もっても1ヵ月で1000万円以上。

都市部飲食業とは、人件費と家賃だけで 毎月これだけのランニングコストが掛かる。
それなのに、外食は高い!とか口にする方が多くいらっしゃる事に心が痛む。

私は今回のコロナ問題で、かなりの確率で業界再編が起きると考えている。

そしてこれを機に外食の社会的ポジションが上がるような結果となれば、雨降ってる地固まるなのだが、、、、

とりあえず東京飲食業界の一つのヤマ場は、5月末が山場ではなかろうか?

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by boaboa16 | 2020-04-20 20:28